2009年6月1日月曜日

無題・・・

N氏が使用していないアルミのゲージを貸してくれた。
♂のIvorには少し狭いが、休日の山歩きに出掛けるくらいなら十分使用出来る。
このゲージの後ろに従来のゲージが横に乗せられるから、Ivorをそちらに乗せれば四国内くらいなら十分に移動できる。

先日、BS1でBBCが製作した犬の遺伝性疾患に関するドキュメント番組の日本語訳が放送された。
確かに的を得た内容であるが、かなり偏っていて、全体を把握するには不適当であると感じる。
しかし、BBCもその事は承知で、荒療治の意味で、この番組を制作したのであろうと推測する。
問題は、未熟な犬社会の日本でどの様に受け止められるだろう・・・?
系統繁殖(広義の近親繁殖)でなければ犬種の特徴は維持できない。
これはブリーディングにおいては常識であるが、5代祖内に同じ犬の名前が複数あれば血統書には近親交配と印字される。
これを、番組を観た知識のない人達が、どの様に受け止めるだろうか・・・?
そして犬を求めるときに系統繁殖から産まれた仔犬が敬遠され、以外の仔犬が選択されるようになったら・・・?
あれ~ ラブラドールってこんなんだったけ・・・・つまり、将来、ラブラドールが我々が愛するラブラドールではなくなってしまうのである。
例えばFT系のラブラドール、猟のパートナーであってペットの要素も兼ね備えていなくてはならない。こうした能力を継続して維持するためには系統繁殖しかないが、程度に差はあっても近親交配なのである。
幸いにもラブラドールは、先天性遺伝疾患に対する取り組みが進んでおり、英国系のラブラドールを軸にしたブリーディングであれば、わが国においては、そのリスクをある程度回避できる。
逆に、近親繁殖の印字を嫌い、系統繁殖が阻害される事で先天性遺伝疾患のリスクが増すことになる。

しかし、犬先進国イギリスのマスコミが、あえて副作用の強い毒薬をもって警告しなくてはならないほどドッグショーの裏方が荒廃しているとは想っていなかった。

ついでに、ラブラドールにもdual purposeと云う議論がある。
この議論、いっこうに先が見えない。
いっその事、SH系とFT系を違う犬種として登録してしまう方がすっきりするのではないかと、素人考えする。
この議論が先に進まない理由は、専門化されたジャッジの存在と専門化したブリーダーの二つのファクターがあると指摘するTheLabradorRetrieverClubレポートがある。
つまり、各々が築き上げてきた専門性を、ある意味で方向転換する事に抵抗があるのが当たり前で、かつ経済的生産の手段となれば、なお更である。